愛の園福祉会 お知らせ

コラム「足あとを灯す」『第15編 共に生きる姿勢」〜インクルージョンが導く福祉の原点〜

コラム「足あとを灯す」『第15編 共に生きる姿勢」〜インクルージョンが導く福祉の原点〜

ヨーロッパで生まれた「インクルージョン」という思想は、日本において二〇〇〇年前後から社会福祉や教育の仕組みを大きく変える原動力となってきました。高齢者、障がい者、子育て家庭などを孤立させず地域で支え合う福祉の模索、そして「障害者権利条約」を契機とした教育現場での共生への転換です。

欧米におけるインクルージョンは、「発達に課題のある子どもを分けるのではなく、共に生き、同じ輪の中に迎え入れること」に力点が置かれていると聞きます。それは単なる物理的な統合や制度論ではなく、人間の尊厳への強い眼差しです。日本では特別支援教育としての独自の歴史や専門性が育まれてきましたが、根底で問われているのは、いかにして「誰もがその人らしく共に生きられる土壌」を育むかという普遍的な願いにほかなりません。

私たちが法人の基本理念として掲げている「もっとも小さな者に仕える」は、まさにこの「共に生きる」姿勢と深く繋がっています。日本の社会が歩んできたインクルージョンへの道を法人の歴史と重ね合わせる時、こども園・保育園と児童発達支援を一体的に展開し、多様な命が自然に響き合う今の環境こそが、私たちの果たすべき役割なのだと確信します。

制度の枠組みを超え、違いを包み込む温かな「共生」の灯りを、これからも灯し続けてまいります。(社会福祉法人愛の園福祉会理事長)